山陰地方、だんだん(ありがとう)

日々、意味>新 2015.09.20 水島 七恵
出雲大社本殿。
神様の横顔を拝むことから、山陰の旅ははじまった。
旧暦10月。全国の八百万の神様たちが、出雲に集まってくるため、
他の土地では神様はお留守になる。したがって出雲では神在月となり、他の土地では神無月となる。全国各地の神様がみんな出雲に上陸するなんて、想像するとワクワクする。出雲が纏う空気は、普段吸っている空気のそれとは明らかに違っていた。何より出雲にまつわる神話は日本人のロマンであり、
同時に営みの根源に触れる大切な物語だとも思った。
その出雲から車で10分。
斐伊川のすぐそばにある出西窯にも立ち寄った。1947年、5名の若者たちによって開かれた出西窯は、
柳宗悦による民藝運動の息吹がそこかしこに根付いた著名な窯元でもある。民衆による民衆のための「用の美」がここに確立されている。作品ではなく、人々の営みに寄り添った器たちは、
ひとつひとつ本当に普遍の輝きに満ちていた。
最後に松江から車で約2時間。
鳥取砂丘、そして植田正治美術館にも足を運んだ。美術館内から眺める大山(標高1,729mの火山)が絵画のようだった。
水島 七恵
水島 七恵
編集者。新潟生まれ。人の営みから生まれる文化全般を思考領域としながら、雑誌やウェブメディアを中心に、企画とディレクション、執筆を行う。最近の仕事に「TOKYO PAPER for Culture」(vol.01〜vol.16)の編集ディレクションと執筆、雑誌「リンネル」(毎月20日発売)でのシネマレビュー執筆などがある。自分の原点は、音楽。最近目覚めたことは、筋トレ。私にとって編集とは世界の見かたを増やす手段だと思っています。

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