民藝探訪。まちなか編。

日々、意味>新 2016.04.20 加藤 孝司

民藝(フォーククラフト)は風俗のひとつになって久しい。観光地の土産物屋には民藝を唱ったみやげ物があふれ、日本的なみやげ物は民藝と結びつけられ売られ、語られることも多い。

1925年に柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎が中心となって起こした芸術運動は柳らがとなえた用即美、すなわち普通の暮らしのなかにある「用の美」を再発見し、美術工芸品を尊び刹那的な消費主義に偏りかけていた人々のなかに、暮らしの中に生まれる純粋な美の感覚を再認識させるための運動でもあった。
用の美とは日常人々が何気なく使う道具の中にかけがえのない美を発見し、それこそが人々の日常を豊かにする道具として位置づけることから始まった。
それは人々が営む日常こそが美しい、という考え方にも繋がるヒューマンなものにみえる。

加藤 孝司
加藤 孝司
加藤孝司/かとう たかし
デザインジャーナリスト。東京は浅草生まれ。デザイン、クラフト、アートなどを横断的に探求、執筆。雑誌やウェブなどへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、デザイン、建築、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。休日は愛猫ジャスパーと過ごすことを楽しみとしている。

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