京町家で気づいたこと 1.

日々、意味>新 2017.06.29 加藤 孝司

先日京都で古い町家にお世話になった。その町家というのが、通り庭(土間)がある、明治末期から昭和初期に建てられた、二階の天井高が一階と同じくらいある、本二階という形式の京町家。
通り庭の片側には3つの部屋が並び、一番手前からミセ、ダイドコ、オクというらしい。
現在は住居専用だが、かつては店や仕事場も兼ねていたのかもしれない。
通り庭とは、玄関から家の奥まで続いている土間のこと。ここには台所があり、この家にはおくどさん(かまど)が残っていた。通り庭の上は窓のある「火袋」といわれる吹き抜けになっており、まず空間的に開放感がある。それとおくどさんで焚いた煙が室内に籠ることなく天井に抜け、薄暗い土間に明かりをとる役目もある。
縦に3つ並んだ部屋の手前から、ミセ、ダイドコが日常、オクが非日常とされて区別された。奥に行くに従いプライベート感が増すつくりは理に適っている。

土間では、玄関から家の奥まで土足のまま移動することができる。通り庭には、玄関、台所、洗面所、洗濯場があるから、料理、洗濯、歯磨き、ドライヤーなどが、靴を履いたまますることができる。これはなんだか便利で、モダンな暮らしだと思った。

 

>>京町家2

加藤 孝司
加藤 孝司
加藤孝司/かとう たかし
デザインジャーナリスト。東京は浅草生まれ。デザイン、クラフト、アートなどを横断的に探求、執筆。雑誌やウェブなどへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、デザイン、建築、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。休日は愛猫ジャスパーと過ごすことを楽しみとしている。

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