とこしえにつづく庭

日々、意味>新 2017.11.27 加藤 孝司

太宰府天満宮千百余年の歴史に、新らたにフランス人現代美術家ピエール・ユイグ作の「庭」が加わった。作品名は「EXOMIND ソトダマシイ」。
今回で10回目となる、太宰府天満宮との関わりの中で世界的芸術家とともに美術の恒久展示作品を創作する太宰府天満宮アートプログラムの最新作品だ。
場所は太宰府天満宮の広大な敷地の中にある山の上。コンクリート彫刻、蜜蜂、蜂の巣、橙(だいだい)と御神木飛梅、土、石、三毛猫、蟻、モネの池の蓮、錦鯉、ウーパールーパー。東と西、古と今、とこしえ、ハイテク、ローテク、様々な要素を内包した小高い山の頂の濃密で神秘的な空間。
はじまったばかりのこのプロジェクトの、その”はじまり”に立ち合うことができた。とにかくその作品を前に驚いた。造成されたばかりの”庭”は、古代遺跡の発掘調査現場のようだ。その空間に身を置けば森の中、空のもと、現代美術のインスタレーションの真っ只中に身を置いていることを実感する。
太宰府の山の自然の生態系、地下水とウーパールーパーと錦鯉の糞、彫像の頭の中の蜜蜂が取り結び創り出す小さなエコシステム。ユイグのイマジネーション、太宰府天満宮の営みとアートへの思い、太宰府天満宮の園丁さん、すべてが未来永劫変わらず変わり続けるこの庭を生み出し支える。近い春には植物が緑と花に覆われる。人柄も素晴らしい現代最高峰の美術家の一人であるピエール・ユイグ初の恒久展示作品。ぜひ目撃していただきたい。

 

太宰府天満宮アートプログラムvol.10 ピエール・ユイグ「ソトタマシイ」
2017年11月26日より公開中。土曜日曜の11時から15時まで公開予定。詳しくは特設Facebookページにて、あるいは太宰府天満宮文化研究所(092-922-8551 9:00〜17:00)までお電話でお問い合わせください。
#太宰府天満宮アートプログラム #pierrehuyghe

加藤 孝司
加藤 孝司
加藤孝司/かとう たかし
デザインジャーナリスト。東京は浅草生まれ。デザイン、クラフト、アートなどを横断的に探求、執筆。雑誌やウェブなどへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、デザイン、建築、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。休日は愛猫ジャスパーと過ごすことを楽しみとしている。

Related

おすすめキーワード