10km先の風景

日々、意味>新 2017.12.31 水島 七恵

以前のダイヤリーでも書いたように、今年は走ることを細々と継続してきた私ですが、12月、ついにマラソン大会出場。初めて10kmを走り抜くことができました。
10km。

その距離に対する体感は、人それぞれだと思いますが、私にとって10kmは、壮大な挑戦であり、未知の世界でした。

そもそも走るって一体なんでしょう。

当たり前のことですが、自分の肉体ひとつで、走るだけです。普段の仕事のように、そこに誰かが関わることはありませんし、完走しても、物質的に何かを手にすることはありません。車で10km走れば、すぐの距離です。その10kmを、わざわざ走る。息を切らしながら、苦しみながら。でも、実際自分の足で完走してみないとわからないことがあるようです。10km先の風景を、車の窓越しに見るのと、疲れ切った身体を通して見るのとでは、こうも違うものなのかと。身体と心を使って実感することで、初めて見えてくる風景があるようです。

そしてこの走ることで手にできる感覚、風景は、改めて仕事にも日常にも応用が利くような気がしました。いくらイメージしても、人の体験をなぞってみても、最後は自分の手足を動かしてやってみないと、本当のことはわからないということ。感情だけでも理屈だけでも達成はできないということ。つまりペース配分は大事。その上で過去の経験、常套句に捉われずいつだって今この瞬間の最高値を目指すこと。その先にしか得られない風景があるということ。それは誰かに奪われるものでも、誰かに比較されるものでもありません。

走ることは私の日常になりました。走るように、2018年もまた過ごしていけたらと思います。身体を動かすことが、ささやかな日常のデザインにも繋がっていくと、私は実感しています。皆さんもそのときがきたら、ぜひ試してみてください。

水島 七恵
水島 七恵
編集者。新潟生まれ。人の営みから生まれる文化全般を思考領域としながら、企画とディレクション、執筆を行う。現在、雑誌「リンネル」(毎月20日発売)にて、新作シネマレビューを担当中。この仕事につく原点は、音楽。最近目覚めたことは、筋トレ。私にとって編集とは、世界の見かたを増やす手段だと思っています。主な仕事については、下記HPまたはinstagram(@nanae0712)でときどきお知らせしています。

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