MO

日々、意味>新 2018.01.19 野本 哲平

MOのデータのバックアップをとった。
ここ十余年、「やらなければいけないこと」として常にずっと頭の片隅にあった項目だったけど、ことごとく先延ばしにしてきたことである。
多くの人にとっては当たり前にできることなのかもしれないけれど、今年は然るべき時に然るべき行動をきちんとしていこうという目標をたてたので、まずはMOから手をつけた。

 

然るべきタイミングで然るべき行動をとっていかないと、頭の中にどんどんやらなければいけない項目が溜まっていってしまい、動きが鈍くなり、今現在やるべきことに集中できなくなるばかりか、人やモノやシステムなどの周辺の環境も常に動き続けているわけで、それらの変化によっては手遅れになってしまうこともたくさんある。

 

MOデータのバックアップはギリギリ間に合った。
ちょっと調べたところだと、2018年1月現在、高額な業務用以外のMOドライブの生産はすでに行われておらず、中古もしくはデッドストックのドライブを用意するしかない。
また、それらの最終(最新?)モデルのドライブ達に対応するmacのOSにも限りがある。
今回は、なんとかそれらの条件を奇跡的にクリアでき、バックアップに成功した次第である。

 

主に1998年から2005年あたりに記録された40数枚のMOディスクからデータを移行したわけであるが、特筆すべきは全てのディスクからデータを移行できたということだ。
当時からメディアに詳しい人からは、MOのアーカイヴの信頼性については聞いていたのだけれど、今回身を以てそれを実感しました。

 

ここでMOについてのおなじみWikipediaからピックアップした情報を書き連ねておきます。
・MO(光磁気ディスク/Magneto-Optical disk (disc))とは赤色レーザー光と磁場を用いて磁気記録を行い、レーザー光を用いて再生を行う記録媒体の1つである。MO(エムオー)あるいはMOディスクと略す。最初の光磁気ディスクメディアおよび対応製品は1988年に各社より発売された。規格は2000年代で消滅。
・3.5インチメディアはフロッピーディスク2枚分の厚さを持つプラスチックのカートリッジに収められている。このため記録面は指紋や傷などから保護され、むき出しのメディアより指紋や傷がつきにくい。
・メディアの耐久性も高く、各メディア製造メーカーの加速劣化試験によるとデータ保持寿命は推定50年から100年とされ、現在もMOの耐久性に匹敵するメディアは存在しない事からプロユースを中心とした需要は根強い。なお、MOの書き換え回数はハードディスクドライブをも上回る1000万回とされる。対するハードディスクドライブは100万回以上とされる。

 

また、MOの耐久性の要因を挙げておきます。
・カートリッジに収められていることで、傷や埃によるダメージが少ない。
・ディスクの両面を覆う分厚いポリカーボネート製の保護層により傷へのさらなる耐久性が高まる。
・記録時のレーザーの出力がCDやDVDと比較するとはるかに弱いため、ディスクへのダメージが少ない。
・加熱しないと磁気の影響を受けないため、磁石を近づけただけではダメージを受けることはない。
・CD-RやDVD-Rとは違い、紫外線の影響はほとんど受けない。
・フロッピーとは違ってヘッドが接触することがないため、ディスクやヘッドが摩耗することはない。

 

デジタルデータの保存については自分の感覚だと、2000年代半ばごろから、CD-RやDVD-Rが自分の手元でも焼けるようになったり、USBメモリやSDカードなどのフラッシュメモリ、外付けのHDDなどの台頭でMOは衰退の一途を辿り、最近だとSSDやクラウド上へのデータ保管サービスなどなど、様々な選択肢で気軽に大容量のデータを保存できる時代になった。それでも完璧なバックアップ方法というのは未だ存在せず、いくつかの方法を重ねてバックアップして、然るべきタイミングでそれらを更新していくということでしか、データを確実に保存することはできない。

 

また突き詰めると、紙やフィルムなどモノとして残せる媒体のものは、そういったデジタルデータ以外の状態で残すというのも非常に有効な手段の一つであると思うのだが、これはまた別な機会で考えていけたらと思います。

 

総じて言えるのは、デジタルデータを”着実”かつ”長期的”に保存するという目的にフォーカスした場合、MOはいまだにデジタルデータ保存媒体史上ベストに近い存在の一つだったのではないだろうかということである。まさに意味>新。

野本 哲平
野本 哲平
デザイナー。小2の時にファンタの蓋を背負ったエディットヤドカリに遭遇し衝撃を受ける。建築的な思考を軸にラジカセから木工、衣服から都市に至るまで生活への興味は縫い目無しに幅広い。2011年に現代民具のレーベル「民具木平」を開始。モノ・空間・建築系の仕事を生業とする傍ら、日々リサーチ活動に励む。illustration : Takeshi Tomoda

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