蚊帳の外からいらっしゃい

日々、意味>新 2018.05.15 橋本 司

京都では大変盛り上がったKYOTOGRAPHIE(結局見に行けず……)が終わりましたが、手前味噌ですけどもLADERではcapacious(カペイシャス:大阪府内の障がいのあるアーティストの作品を現代美術のマーケットに紹介するプロジェクト)展が淡々と続いております。GWもあったりでたくさんの方に足を運んでいただいてて、ありがたいことです。

 

障がい者アートのことは「アール・ブリュット」という名前で知ったのが最初だったんですけど、もともとは「美術の専門的な教育を受けていない人が、伝統や流行などに左右されずに表現した芸術」という意味合いだそうなので「=障がい者アート」ではないようですが、そう認識されることが多いようです。ちなみに、日本語だと「生の芸術」と訳されるのが一般的みたいです。

 

障がい者の方の作品は、その性格上なのか作者の興味・関心のあるものしか描かれていないものが多いし、おそらく好きじゃないことはそんなに続けられない。そのおかげか作為的なニュアンスがないというか、なんとも活き活きしているように感じてうれしくなります。「生の芸術」というのは言い得て妙ですね。

 

また、作者自身が専門的な美術教育を受けていないこともあるし、意図を汲み取ろうにも作者から明確な回答が得られなかったりもするので、専門家だろうが素人だろうが、その解釈や楽しみ方に明確な正解もなければ間違いもありません。だから、僕みたいな芸術の蚊帳の外にいるおじさんにも門が開いてるんですね。変な言い方だけど、友達と好きな食べ物の話をするように、自由に楽しんでもらえたらいいなと思います。

 

画像は柴田龍平さんの作品。とにかく数字が好きなんですねぇ。そして、普通に、かっこいい。