のもとてっぺいくんの、
心のよりどころとしてのルームメイト

日々、意味>新 2018.11.04 加藤 孝司

デザインウィークも後半に入り、街は小走りにクリスマス、年末へと向かいつつありますが、そんななか青山のユトレヒトで発表されたデザイナーのもとてっぺいくんの新作はまさかのオブジェ。

のもとくんは民具木平という屋号でモノづくりや空間設計にたずさわったり、クライアントワークも積極的に展開しているデザイナーです。この意味新の執筆者の一人としても、ここをご覧になっている方にはご存知の方も多いのではないでしょうか?

今回発表されたのは作品のタイトルは「ルームメイト」。五葉松、ヒメリンゴ、サボテン、石、ばらん(テイクアウトのお寿司や弁当に入っている緑のアレ)など。デザイナーでありながら、木工制作も得意とするのもとくんらしく、それらは木工の技術により美しく作られています。平面的でありながら、合板が何層にもなった様は、彫刻的でもあり、絵画的、アニメ的、あるいはピクセル画のようでもあります。帰宅しこれらが部屋に待っていてくれたら、なんだか楽しい気分になりそうです。

ルームメイトとは文字通り同じ部屋に一緒に住んでいる人という意味ですが、それは今流行のルームシェアとどう違うのでしょうか?ルームメイトもルームシェアもどちらもひとつ屋根の下に共に暮らしていることをいいます。

さて、本展の解説にはこれらのオブジェクトは「あなたの帰りを待っています」と書かれています。とするとシェアが想像させる対等な関係とは少し異なり、その存在をオブジェクト以外のルームメイト(=あなた)に依存する存在として作者からは位置づけられていることが分かります。

水も日光も必要とせず、枯れることもない植物であり生き物としての自立的でありながら、ペットのような存在としての依存的なルームメイト。

ハイテクの時代にあって、本作と類似する存在にはAIBOやペッパーくんがいますが、愛嬌のある佇まいはそのままで、このルームメイトは電力も不要、ほぼメンテナンスフリーの愛らしい(都合のよい)存在。ボクはこのルームメイトの木々たちに話しかけている自分を想像して、依存することとは何か?そんなことを考えていました。

 

野本哲平 ルームメイト

2018年11月11日(日)までユトレヒト(東京都渋谷区神宮前5-36-6 2F 月曜定休)で開催中です。

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