みんな大好きシド・ミード

日々、意味>新 2019.05.17 野本 哲平

絵がうまい人には理屈抜きに憧れる。

 

シド・ミード展 に行ってきた。
https://sydmead.skyfall.me/

 

これだけまとまった数の原画を見たのは初めてだと思う。
ただただ泣けてくるくらいの画のうまさである。

 

僕が彼の画について語るのも甚だ烏滸がましいのだが、彼の画は、単に描く技巧が長けているといった類の「うまさ」でなく、(設計者だから当然ではあるのだが)軸感や空間把握能力、素材感・部材感、エンジニアリング感覚のリアリティあるヴィジョンが礎にあり、そこに圧倒的な表現のディテイルと、最終的な演出とで畳み掛けてくるので、気がつくと彼の恍惚とした世界に引き込まれてうっとりとしてしまうのではないであろうか。
根源的なクリエイティヴの圧と、目に飛び込んできて頭で処理されるまで脳内補完を必要としない画のみが持ち得るスピード感のようなものが見るものを虜にするのかなと思った。

CGやCADが全盛の現代、ペンと定規で素早く正確に画や図を描くことができる人口は確実に減っていると思うが、それというのは人類の退化なのかもしれない。

 

これは完全にシド本人のコントロール外のことではあると思うのだが、本展、なぜだか会場の雰囲気がちょっと独特で、アートエキシビションをゆったりと見にきたというよりか、アイドルの握手会か何かのイベントに連れてこられたような(行ったことないですが、、)独特の雰囲気と圧で交通整理をされる感じで、再入場も不可なので、入場前にトイレに行くか行かないかの入念な ”リハーサル” をしっかりしておく注意が必要だ。

出口出たところにあるの寄せ書きも必見です。
ちなみにタイガー魔法瓶のポットはありませんでした。(残念)