値段

日々、意味>新 2017.12.17 野本 哲平

先日、つくりものの素材を調達に、行きつけのリサイクルショップに。年の瀬のリサイクルショップという場所は独特の雰囲気を醸し出しており、ワクワクとザワザワが入り混じり、なんだか心が落ち着かない。カセットテープやCDの置いてあるコーナーで気になるジャケット(手書きのシールが貼られている)のカセットがあったのだが、値段がついていなかったので、店員さんに値段を聞いてみた。僕の予想だと、まわりに売っていた正規のケースとジャケットを纏った音楽カセットテープはたいていが200円という値段設定だったので、この「トロイメライ/マドンナの宝石」に関しては200円ないし、手書きなもんで100円くらいなんじゃないかなあと思いながら、質問への回答を待っていたところ、店員さんが店主への確認から戻ってきて告げられた値段は、「500円です。」「曲数が多いので500円なんですよ。」ということだった。店員さん(おそらく店長の奥さん)というメディアを通して、店長のこんなにも当たり前のものの価値の判断が、なんだか僕にとってすごく新鮮に響いた。と同時に自分の卑しさのようなものに少し辟易した。なぜなんだろう、これを綴っている今でさえその感覚を的確には言語化できない。けど、きっとものの価値の本質に迫った、譲ってはならない大切なところの話ような気がする。もちろん僕は迷うことなくこの24曲入りのカセットテープを購入した。

https://www.youtube.com/watch?v=xbKyblK_DeQ