西本良太展に見る、日常の切り取り方

日々、意味>新 2018.12.28 橋本 司

ご近所のto seeさんに西本良太さんの展示を見に行ってきました(あいにく昨日までで終わり)。西本さんは木工を中心に、実用的なものからアートピースのような作品まで様々なものを作られています。僕は作家やアーティストには全く明るくないんですけど、西本さんのおもしろいところは視点にあると思っていて、なんというか、作家としてのエゴのようなものをあまり感じません。常に飄々として見える。

 

西本さんのインスタグラムを見ると、普通なら素通りしてしまいそうな景色や些細な物事が、西本さんのフィルターを通してちょっとした発見や違和感、可笑しみとしてアップされています。そして、周波数が合うとフフッとなる。何枚か見ていくうちにその切り取り方から「らしさ」は感じると思うんですけど、それらを集積してもおそらく意味は生まれてこないと思うんです。その先に意味があるのであれば、そこが作家性になってくるんだと思うんですけど、そうじゃない気がするのでその視点こそが作家性なのかなという気がします。そして、その視点に下駄を履かせないというか、大きく見せようとせず、そのまま出すあたりも個人的に好きなところです。

 

歴史という視点から街を読み解くブラタモリのように、西本フィルター(勝手に命名)で街を見てみると、「映える」と言われるようなわかりやすいところじゃなくても、おもしろい要素はそこかしこに転がってるはずです。