デレク・ウィルソンさんのセラミックアート

日々、意味>新 2018.12.02 加藤 孝司

北アイルランドのベルファストを拠点に活動するセラミックアーティスト、デレク・ウィルソンさんの個展を出張先の福岡のpatina(12月18日まで開催中・福岡市中央区薬院1-7-12 セルクル薬院402)でみた。

デレクさんの作品を初めて見たのは先月のこと。東京虎ノ門のキュレーターズキューブというギャラリーでの個展でした。

そこに並んでいたのはデイリーに使えるマグカップやカップ&ソーサー、そして驚いたのがセラミックによるスカルプチャーでした。元は花器やジャグのようなカタチをしていますが、非日常的なカタチのオブジェクトでもあります。シンプルで美しい造形をあえてズラしたようなカタチはバウハウスのマリアンネ・ブラントの作風やロシアアヴァンギャルドを想起させます。前回の東京で友人の紹介でデレクさんと散歩をする機会がありました。その際彼は、自身の造形に対しベン・ニコルソンの抽象画にも影響を受けていると言っていました。

作品は以前は光沢のある釉薬のものも制作したいたようですが、近年の作品はマットな釉薬が特徴で、ざらっとした質感がコンテンポラリーでとても美しい作品です。

展示写真を見てもお分かりのように、これが一つ日常にあるだけで、空間や暮らしが変わる、そんな想像をさせてくれる力をもった作品です。いつかボクも家に迎えることが出来たら幸せだろーなあと、そんなことを考えていました。