平成のうしろ姿

日々、意味>新 2019.05.03 野本 哲平
名優ベンガル(さん)が圧巻の迫力で劇中 内田茂造 (a.k.a モード内田) 役を演じてみせ、デザイン業界だけでなく日本中のお茶の間を震撼させたドラマ「デザイナー渋井直人の休日」の放映終了を追うかのように、平成という時代が幕を下ろした。

私はというと例のごとく新元号「令和」の波に乗り遅れてしまっている感が否めない令和元年の憲法記念日であるが、先のドラマが終わってしまったということもあり、最近の専らの楽しみといえば、日々アップロードされるミニマリストしぶさんのYoutubeの動画と、ぽつぽつとアップされる写真家の大森克己さんの連載「山の音」である。

https://dancyu.jp/read/2019_00001529.html(最高です)

誰でも公共の電波ならぬWorld Wide Webの網の上に情報をのせることができるようになった時代、蓋をひらけば「君の言っていることはすべて正しいけど、面白くない」情報も数多く流れる中、大森さんの「山の音」はその対極にあるような、僕の単調な生活にザワザワとする後味を残していく、とても更新が待ち遠しい連載だ。
先日聞いていたラジオの出演者が自分と同世代くらいのようだったんだけど、「自分は昭和生まれだけど、人生のコアタイムは平成だった」的なことを言っていて、少し焦った。
この文章を書いていて、言いなれない(書きなれない)「令和」という文字と少しずつ向き合い始めると、令和の「令」は「零」でもあるのかもなぁ、などと色々な物事がつながりを帯びたような感覚にとらわれた。
「平」の時代が終わりを迎え、いよいよ本当に「ゼロ」の時代が来るのかもしれない、そんな予兆を少し感じた。
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