旅先で映画を観ること

日々、意味>新 2017.06.29 水島 七恵

今年4月頭に、画家の牧野伊三夫さん案内のもと、大分県日田市を訪れた。

「映画を観ましょう」と、事前に牧野さんから通告があった通り、日田市へ到着の後、

私たちが向かった先は、ボウリング場の2Fにある映画館日田シネマテーク・リベルテだった。

リベルテは、日田唯一の映画館にして、全国から多くの人が集うカルチャーの発信基地でもある。

そもそもこのリベルテの館長・原茂樹さんと牧野さんはヤブクグリ活動を共に行う仲で、

映画館の一角には作家の作品を展示販売もしていて、牧野さんの作品も多数扱われている。
まるで旧知の間柄のような、和やかでユーモア溢れる二人の対話をそばで聞いているだけで、とても楽しい。

 

つまり、あちこちに興味の対象がいってしまって、最初は正直、映画を観るスイッチがなかなか入らなかった。
ところが、だ。いざ上映時間になって、地元のお客さんとともに席について映画を観だすと、
これがまた今まで感じたことのない幸福感が心に充満していった。

 

ここは初めて訪れた街。周囲を見渡すと、牧野さんほかこの旅で初めて出会った人たちが

ぽつりぽつりと席に点在していて、皆それぞれに映画に集中している。

その不思議な一体感とともに、観終わったあとに垣間見るみんなの表情。
そして、外に出た時の馴染みのない景色とともに心に沈殿している映画の余韻は、
普段、東京の街で感じるそれとは質が違っていた。

 

旅先で映画を観る。

 

これはどうやら楽しい、面白い。

もちろん、リベルテだからこそ体験できた映画鑑賞でもあるけれど、他の土地でもやってみたいと思った。

その2か月後。今度は、新潟の十日町シネマパラダイスへ。

 

やはり、旅先での映画は楽しい、面白い。

 

そうなるためのポイントを、私なりに考えてみた。

 

普段なかなか一緒に映画を観に行く機会のない人と観る。

できれば朝から観る。(観終わった後も、旅を有意義に過ごせるから)

そのまちの風景に自然に馴染んでいるローカルな映画館で観る。

上映作品のラインナップに、個性や性格が垣間見れるような映画館で観る。

 

この4つのポイントが揃うと、かなり抜群によくなる。

 

ちなみにリベルテでは「この世界の片隅に」(2度目の鑑賞)と「五島のトラさん」。

シネマパラダイスでは「人生フルーツ」(2度目の鑑賞)を両親と鑑賞。

どの映画も本当におすすめです。

 

 

 

 


 

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