その冠を脱げ
前回の投稿の後日談的な感じなんですけど、カペイシャス展を通じて知ったフリーペーパー「DIVERSITY IN THE ARTS PAPER」をお店に置くことになりました。これはウェブメディア「DIVERSITY IN THE ARTS TODAY」の記事をまとめたもので、フリーペーパーだけどボリューム的にも内容的にも読み応えがあります。サイズもデカい!
いくつかの記事を読んでいて、「ダイバーシティ=多様性」を認められた結果として新しいものに名前がついたりするわけですが、名前がつくことで認知されやすくなったり理解されやすくなったりする側面はあるものの、カテゴライズされることでかえって先入観が生まれたり隔たりが大きくなってしまったりという場合もあるんだな、と。「障がい者アート」という名前がつくことで、「アート」の枠の中にはいても、切り分けられてしまうわけです。
女性の方なら感じることが多いかもしれませんが、「フィメールDJ」や「女芸人」のように「女性◯◯」という呼称は、その在り方を認める一方で「あくまでメインは男」と言わんばかりの空気を感じるのと同じですね。こういった問題はどこにでも横たわってそうです。今号で小出由紀子さんもインタビューで語られていますが、まずはいろいろありつつも名前がつき、そのフェーズを経て、いつか不必要な冠が意味を成さなくなる日が早く来るといいなと思います。
ちなみにDIVERSITY IN THE ARTSでは、この「日々、意味>新」にも参加されている水島さんも文章を書かれていますよ。ご縁ですねぇ。
あと、めちゃくちゃどうでもいい余談ですが、このフリーペーパーとウェブは「一般財団法人日本財団DIVERSITY IN THE ARTS」が運営してるんですけど、財団と聞くとどうしてもこれを思い出してしまいます。世代ですかね。
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カペイシャスとは大阪府内の障がいのあるアーティストの作品を現代美術のマーケットに紹介するプロジェクトのことです。記事を通して「アート」とは何か考えてみませんか?