グラフィティアーティストKAWSのクッキーモンスター

日々、意味>新 2018.12.14 加藤 孝司

ぬいぐるみやフィギュアは現代アーティストのプラットフォームのひとつであることは間違いがない。身近に置けるアートから、手の届かないコンテンポラリーアートまで、その価値も価格もやすやすと超えることのできる点でも、既成の枠にあてはめることのできないそのあり方も実にアート的だ。先日ネットでグラフィティアーティストKAWSによる、セサミストリートのキャラクターグッズをみた。イラスト入りのTシャツなどに交じって、人気キャラクターらしく、ぬいぐるみもラインナップされていた。以前、村上隆とドラえもんのぬいぐるみを買い逃していたので、とりあえずクッキーモンスターをネットで購入した。

KAWSは×をモチーフとして90年代に登場したグラフィティアーティストだ。ストリートやポスター、キャラクターなどに×を描き込み、あらゆるものを軽やかに批評の対象にしてしまう。そしてある種のポップさもKAWSの特徴ともいえるかもしれない。それは有名キャラクターの目を×マークであらわすことで顕著になる。これまでもミッキーマウスやスヌーピー、ミッフィーなど、誰もが知っているキャラクターが標的にされてきた。

そんなKAWSにいち早く注目したのが90年代東京を席巻したストリートブランドのカリスマたちだったと思う。現在ではKAWSも成功したストリートアーティストの一人として、世界的なブランドとコラボを展開。それまでハックされてきたキャラクターたちとオフィシャルでコラボするようになる。そして今回のセサミストリートである。これを発表したユニクロとは、確か2017年に最初のコラボをしたと記憶している。その仕掛け人も東京のストリートブランドのカリスマだ。

先日までマイアミで行われていたデザイン/アートの火付け役とも言えるデザインマイアミでは、ブラジルのデザイナー兄弟カンパナブラザーズとKAWSがコラボ。まさにセサミストリートのKAWS版ぬいぐるみを思わせる、×の目玉をもったピンクと黒のぬいぐるみたちで出来たソファは、これまでもカンパナブラザーズが示してきたぬいぐるみソファ(soft toy chair & sofa)のマナーに沿ったものだが、ポップ、あるいはその現代性という意味においては最も際立った作品でありアプローチだろう。ちなみにこれは一部で流行しているインテリアやファッションのもふもふブームにもぴったりフィットしている。およそ実用とはほど遠い作品を発表してきたデザインアート好きにはおなじみのカンパナブラザーズの快作(怪作?)、ストリートのポップがデザインにもたらした新たな可能性ともいえそうで注目している。

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