SHIHARAのピアス

日々、意味>新 2018.08.23 水島 七恵

アクセサリーは、私の輪郭を形成する一部です。もしもうっかり身につけずに外出してしまったとすれば、それは靴下を片足しか履かずに外出してしまうことと同一なくらい、アクセサリーは私にとって切実です。
そんな私が最も欠かさずに身につけていたのはイヤリングだったのですが、今年、思い立って耳にピアスを開けました。ピアス、ずっと開けたかったんですが、肌が弱いこともあって金属アレルギーを恐れ、立ち止まっていたのです。ですが、実際のところ開けてみないとわからないし、どの金属が合わないのか慎重に探ってみよう、相性の良い金属だってきっとあるはずだ、と。何より自分自身の風通しを良くしたい、現状をぶち抜きたい衝動に駆られていた私は、それがピアスという小さな穴を身体に開けるというアクションと、思わず同化していたような気もしています。

結果、両耳に二つの穴を開けた私ですが、現在ピアス生活を本当に楽しんでいます。そんな私が最近手にしたピアスが、SHIHARAのもの。極限まで削ぎ落とされたデザインは、とても繊細でロジカルで、フェミニンすぎないその佇まいに惹きこまれたのですが、優れた商品デザインとは商品そのものだけでなく、商品の周りの環境や気配も含めて淀むことなく整っているもの。SHIHARAもまた徹底されていて、なかでもアクセサリーを収めるボックス(写真)に感動。アートディレクターは、なんと、私もお仕事でお世話になったことのある田中義久さんでした。納得の環境と気配。

ボックス同様の美しいスクエアの形をしたピアスは、今日もまた、私の輪郭の一部を形成してくれています。