小野裁判官の説諭

日々、意味>新 2019.06.21 野本 哲平
今月18日、とある裁判の判決公判が東京地裁で行われた。
報道によると、判決が言い渡された後、裁判官から被告におよそ10分にわたる異例の説諭がされたという。
裁判官は被告の自室に飾られていた『人生』と書かれた書を示し、 「あなたに問いかけたいことは3つ。これから『人生』をどうしたいか。『人生』という言葉の持つ意味は何か。そして、『人生』と書いてくれた人の期待にあなたは応えられているか」と、『人生』という言葉を繰り返し用いて語りかけ、「謝罪やカウンセリングの中で迷ったり悩んだり孤独になることがあるかもしれない。そのときは『人生』と書いた人の気持ちに応えられているか、胸に手を当てて考えてほしい。それが、あなたがいるべき場所を見失わない上で大切なことじゃないでしょうか。」と言葉を締めくくったとのことである。
小野裁判官の極めて意味深で、ハートフル、そして機知に富んだ説諭に、この国の司法もまだまだ捨てたもんじゃないななどと心がなごむ。