京町家2
おくどさんはカマドのことで、お竈さんと書く。これは食べものなどに、おを付けて、「お〜さん」という京言葉から来ているらしい。
それとおくどさんの近くには、短いつい立てがあり、これにも「嫁隠」という名前がある。客人が細長い通り庭を入って、これ以上家の奥まで進まない、精神的な境界線になっているという。
「オク」(3つ並んだ部屋の一番奥)の奥には、坪庭がある。障子越しに光や、開け放てば風を家の中に取り組む仕組みだ。実際体験して、暗くなりがちな細長い家のつくりでありながら、抜けの良さや風通しの良さをもたらしているのは、この坪庭によるところが大きいと思った。
京都は今まさに観光シーズン。風情のあるまち並みや、神社仏閣巡りも楽しいが、市井の人々の暮らしぶりにこそ、彼の地の豊かさがあるような気がしてならない。