私的2018年のナイスデザイン5

日々、意味>新 2018.12.28 加藤 孝司

2018年もいろいろありました。なんとなく振り返っても、築地移転、大坂なおみ選手全米オープン優勝、頻発する自然災害、安室ちゃん引退、将棋羽生名人国民栄誉賞、フィギュアスケーターの羽生弓弦くんが大活躍した平昌五輪はこの冬開催されたんですよね。なんだかだいぶ前の出来事のような気がします。

今年も月に2〜3本デザインの小噺にお付き合いいただきありがとうございました。

本年最後のボクの投稿は、2019年もデザインで楽しい毎日を過ごすことができることを願いつつ、私的2018年のベストでナイスなデザイン5選をおおくりします(順不同です)。

 

1. 熊野亘さんの「INTO THE BEIGE」展

我が家でも自然に集まってきているのが、デザイナー熊野亘さんがデザインした家具。フィンランドでデザインを学び、ジャスパー・モリソンさんと恊働する熊野さんの家具は作り手の技と素材の持ち味を生かしながら、どこかコンテンポラリー。そんな熊野さんがこれまでデザインした椅子を中心にした待望の個展「INTO THE BEIGE」が開催され注目しました。友人知人のインスタグラムのポスト数もとても多く注目された展示でした。

 

2. FIELの「TAKESHI」

6月に行われたインテリアライフスタイルトーキョー2018で目撃してから頭から離れませんでした。それくらい今年印象に残った家具がこのTAKESHIです。TAKESHIとは福岡県大川でデスクを専門に手がける家具メーカーMARUSOのブランド「FIEL」が手がけ、デザイナー西尾健史くんがデザインしたデスクの脚。見た時にボクはこれを家で小さなシェルフとして使ってみたいなと思い、いまデスクまわりで実際に愛用し重宝しています。FIELでは2019年にも新たな展開があるようで、2019年の展開も期待していただきたいブランドです。

 

3. KVADRATの新作テキスタイル

ご縁があって拝見したKVADRATの新作テキスタイルは敬愛するデザイナーの一人、フランス人兄弟デザイナーのロナン&エルワン・ブルーレックによるデザイン。高度な技術で織られた繊細に光を透過するテキスタイルは、夢をみるような美しさ。来日したロナンさんにはこのテキスタイルについてお話を伺っているので、いつか機会があったらご紹介したいと思っています。

 

4. 岩元航大くんのpvc handblowing project

マークスインターナショナルからリリースされ、最近ではメディアにも登場しブレイクの兆しのある「BENT STOOL」を手がけた岩元航大くん。その彼の新たな挑戦として今年発表されたのが、工業用素材PVCパイプを使った一点もののベース「pvc handblowing project」。プロセスに介入しデザインする岩元くんの本領発揮的な作品として、プロにも注目されていました。その制作プロセスについては、この意味新でもコラムを執筆しましたのでそちらもぜひご覧ください。

 

5. デレク・ウィルソンさんの個展

そして、今年最も印象に残ったもののひとつが、アイルランドの陶芸家デレク・ウィルソンさんとの出会いでした。作品は以前から拝見したことがあったのですが、デレクさんとは福岡の友人である泉さんの紹介で出会いました。11月のデレクさんの東京滞在中には、泉さんと一緒に、清水久和さんの展示など、都内のデザインスポットを回ったのは楽しい思い出です。デレクさんは東京では虎ノ門のキュレーターズキューブ、福岡ではパティーナで個展も開催。ボクもデレクさんがつくったカップを購入することが出来ました。デレクさんの作品についても、こちらで執筆しました。

 

この他にも野本哲平くんのアレとか、muteのネコバスケット、あれもこれもご紹介したいデザインはいくつもありますが、誌面に限りがありますので今回はここまでといたします。2019年もどうぞよろしくお願いいたします。