キッチンと家事の変遷

日々、意味>新 2019.05.10 橋本 司

LIXILギャラリーで開催されてる「台所見聞録 – 人と暮らしの万華鏡」に行ってきました。会場ではシルバニアファミリーのようなかわいいミニチュアで各国の昔の生活様式が再現され、他にも古い文献などで現代までの台所事情の変遷が描かれていました。

 

北緯40度あたりを境に鍋の使い方(暖房として機能してほしい北部は、鍋を上から吊るしてその距離で火加減を調節して使っていた)が分かれていたり、作業効率によって台所様式がかがむスタイル(蹲踞式・つくばいしき)から立つスタイル(立働式)になっていったなど、いろいろと興味深い内容でした。

 

中でも気になったのが、家事は元々使用人の仕事だったのが主婦の仕事に移行していったということ。また、女学校用の家政書に家事のいろは的なことが記してあった(おそらく時代背景的にも男子校には家政書はなかったんではなかろうか)という点です。今でこそまだ少しマシになってきたけど、家事はやっぱり軽んじられることが多いように思います。その背景には、元々が使用人の仕事だったということもあるのかもしれません。仕事内容についても、男性は習ってこなかったからやり方もわからないし、仕事に対しても敬意を払いにくい。今の状況もその延長線上にある気がします。

 

台所の作業台も、立働式になった最初は高さがバラバラだったそうです。それは作業の度に立ったりかがんだりするより立ちっぱなしの方が効率がいいということで立働式にはなったけど「高さが揃っていた方がいい」という視点にはまだ至ってなかったからなんです。今にして思えばとてもシンプルなことですけど、当時はそういうこともひとつひとつ段階を踏んでいかないと難しかったようです。同じように、男女の目線が揃うのにも時間がかかるんでしょうね。

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